“春の気たつを以て也”(暦便覧)
旧暦では、一年のはじまりと考えられていました。
梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、
春の兆しがそこかしこで見られるようになります。
春の〝木の芽時″は『肝』の気が高ぶりやすいと言われています。
五行学説によると、『 春は東、東は青色、東方は風を生ず。風は木を、木は酸を生ず。
酸は肝を生じ、肝は酸を要す。肝は筋を生じ、目を主る。感情においては怒を表わす。 』
と言います。
中医学でいう『肝』とは「肝臓」を指すだけでなく、気血の流れの維持、消化や水液代謝の促進、
精神や意識の調節、血液の貯蔵、血量の調節というような身体を全体でとらえた働きも含まれます。
その『肝』を落ち着かせるには、まず第一に心や感情を上手く調整することが大切です。
『肝』の気はストレスを嫌い、巡りに支障をきたします。
そうなると内分泌や自律神経が乱れてしまったり、
高血圧や心血管疾病などの病気にもなりやすく、免疫力も低下してしまいます。
イライラせず、穏やかな気持ちでいることで『肝』の気の巡りは良くなります。
深い呼吸やストレッチ、アロマやハーブなどの香りを用いて気分転換すると良いでしょう。
第二には、春の食養生として『肝』の気を高め過ぎず調和することで胃を養い、
消化機能を助けることが重要です。
食材は、春に採れる新芽で成長の早い野菜(ニラ・もやし)や、山菜、
雑穀などの自然な甘味、香りのよい春菊・菜の花・セロリなどの葉野菜、
お茶はハブ茶や甜茶、ジャスミン茶などの花茶がおすすめです。
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