“日南の限りを行て日の短きの至りなれば也”(暦便覧)
一年で昼が最も短く、夜が長い日。
栄養価の高いかぼちゃを食べ、
身体を温めるゆず湯に浸かり、無病息災を願います。
中国には「三九補一冬、来年無病痛」という諺があります。
「三九」とは、冬至から始まる27日間のことで、この間に「補益」をすれば、
次の一年に「病や痛みがなく、健康に生活できる」という意味だそうです。
補益とは、身体に必要なものが不足した状態において、その不足したものを補うことをいいます。
「冬令進補」とは、「冬には補うことをしましょう」という意味があり、
特に慢性疾患がある人や虚弱体質の人などは、漢方薬や薬膳を取り入れて、
体質改善をするのにちょうど良い時期ともいわれています。
中国では「補陽」といって「陰の季節に陽を補っておく」という意図があるため、
人参、霊芝、鹿茸、阿膠、冬虫夏草、海参(干しナマコ)、ローヤルゼリーなど、
高価な滋養剤(補益剤)などもこの時期に服用します。
身体に足りない物を補うと、病気の治療と来年の健康に繋がるといわれているからです。
それでも、補益に有効なものは人によって異なります。
体質や健康状態・症状が違うと、必要な漢方薬も養生法も違うので、
漢方専門の薬局や病院で適切に判断してもらい、
その「証」に応じた養生を行うのが良いでしょう。
また、羊肉、豚肉、鶏肉、牛肉、クルミ、栗、胡麻、はちみつ、キノコ、ナツメ、クコの実、
龍眼肉、山芋、ハスの実など、滋養に良いものを日常的に食事に取り入れましょう。
冬至は易経の六十四卦の中では、「帰る」「元に復する」という意の
「地雷復(ちらいふく)」に相当します。
陽気が芽生えたばかりの「一陽来復」を示しているそうです。
冬至はまだ冬の節気ですが、すでに春に向かってのカウントダウンが始まっているとされ、
陽が健やかに伸長して、再び明るく正しいものが戻るという象意で、
「事を先に進めても良いですよ」いう意味の卦になります。
あと少しで令和元年も幕を閉じようとしています。
本年もご愛読ありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
慌ただしい年の瀬ですが、どうぞご自愛くださいますように♪
おせちにもう一品♪
***【 中華薬膳 豚の八角煮 】***
八角はスターアニスともいわれる香辛料。
独特の強い香りで、豚肉との相性は抜群です。
「理気和胃」で気を巡らせ、胃腸の働きを高めます。
温性であるため、身体を温める働きがあります。
生姜は「発汗解表」で発汗して寒邪を追い払い、
黒砂糖は「活血散鬱」で血行を良くし、気血の滞りによる不調の改善に。
シナモンは「散寒止痛」で身体を温め、冷えからくる腹痛などに効果的です。
<材料 4人分>
・豚肩ロース肉(かたまり) 400g
・長ねぎ(青い部分) 10cm
・生姜(薄切り) 3枚
・酒 100ml
・しょうゆ 1/4カップ
・黒砂糖 大さじ3
・八角 1個
・シナモンスティック 1本
<作り方>
(1)豚肉は1cm厚さに切る。
大きい場合はさらに半分に切る。
(2)鍋に酒・しょうゆ・黒砂糖・長ねぎ・生姜、
手で砕いた八角とシナモン、水100mlを合わせて中火にかける。
(3)10分くらい煮立ててから豚肉を入れ、ごく弱火で2~3分煮たら肉を返し、
キッチンペーパーをかぶせてから蓋をして火を止める。
冷めるまでそのままおいて、余熱で仕上げる。
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