本日は、「秋分」。
太陽は天秤座に入りました。
“ 陰陽の中分となれば也 ”(暦便覧)
「春分」と同じく太陽が真東から昇り、
真西に沈む、昼と夜の長さが同じになる日のこと。
仏教では、極楽浄土があるという真西に太陽が沈むことから、
亡くなった人を偲ぶ日とされています。
この頃になると、夏の間に鳴り響いた雷が収まり、
空にはもこもことした鱗雲があらわれます。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、
残暑も落ち着き、秋の気候へと変わっていきます。
鮮やかな赤い花、曼珠沙華(まんじゅしゃげ・通称 彼岸花)が咲き誇る頃です。
曼珠沙華はサンスクリット語で「天界の花」という意味です。
天界に咲く花は良いことの前兆。
おめでたいことが起こるときに、天から花が降ってくるという話が仏教の経典に書かれています。
その根は「彼岸根(ヒガンコン)」【別名・石蒜(セキサン)】といい、漢方の生薬になります。
癌による腹水及びリュウマチなどに「彼岸根」と「唐胡麻(蓖麻子・ヒマシ)」で湿布薬をつくり、
患部、または湧泉穴(ゆうせんけつ・土踏まずのところ)に貼って、
むくみを治療する民間療法があります。
彼岸花の鱗茎には、リコリンなどアルカロイドの一種である毒が含まれているので、
摂取すると「嘔吐」「下痢」「呼吸困難」を引き起こし、死に至ることもあります。
毒性が強いので、服用はできません。
この毒のため、彼岸花はモグラ除けに墓地に植えられることが多く、
おめでたい「天界の花」のお話とは程遠いイメージになっていますね
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